消費税は下げられる
~借金1000兆円の大嘘を暴く 森永卓郎
前回の書籍紹介の最後に、社会保障の財源は消費税とする著者の意見に賛同できないとの投稿をしました。その消費税に関する書籍の紹介を今回はします。
テレビでもおなじみの経済アナリスト森永さんの近著です。消費税率の引き下げで日本経済の好転を主張しています。
消費税に関してはよく以下の問題を耳にします。曰く、他国の消費税率はもっと高い。欧米並みにするべきだという国際比較です。この国際比較について森永さんは次のように述べています。
・日本の消費税率8%に対して、欧州諸国は20%程度とはるかに高い税率が適用されている。先進国で日本より消費税率が低いのはカナダの5%だけで、お隣の韓国も10%と日本よりも高くなっている。消費税率の引き上げが不可欠とする財務省の主張を裏付ける実に都合の良い存在が、このグラフだったのだ。
しかし、このグラフをよく見てほしい。重要な国がグラフからもれていることがわかるだろう。それがアメリカだ。実は、アメリカには消費税そのものが存在しない。
政府の発表は実に自分勝手だという告発がなされています。そもそも“高福祉”の国の北欧と、自分たち、地域の力で何とかやってという“低福祉”の日本を同列に比較できません。消費税を20%程度に引き上げるなら、福祉の引き上げもセットにして議論すべきです。しかしご存じのとおり、消費税率の引き上げが行なわれても、日本では福祉政策の切り捨てが横行しています。話にならないとはこのことです(怒)。
さて最初にもふれた財源問題。社会保障の財源を森永さんは以下のように提唱しています。
・金融資産全体に課税⇒1%課税で約24兆円の財源
・法人税率を消費税導入以前の50%に戻す⇒12兆4860億円
・タックスヘイブン(租税回避地)への課税⇒約3兆円の財源
・大企業優遇の租税特別措置への課税⇒約2兆円の財源
これに加え日本共産党は軍事費の削減、思いやり予算の削減を主張しています。やる気になれば財源はあります。くらし福祉最優先の政治を実現したいものです。