消防出初め式

【消防出初め式 消防団確保を】

1月12日、平和市民公園において、大分市消防団出初め式が開催されました。岩崎も金池分団の一員として、出初め式に参加してきました。
私たち消防団員は地域の防災を担っています。消防団員は火災や風水害発生時、現場に駆け付ける一般地域住民であり、非常勤特別職の地方公務員と定められ、団員のそれぞれが職業を持っています。つまりボランティア的な立場を併せ持っていますが、25年前の阪神大震災で救助や消火活動に大きな力を発揮してから、消防団の役割が重みを増しています。(市が常備する消防機関の消防職員とは異なります)

しかしその消防団員、減少の一途をたどっています。大分県では、この20年間に1万7092人から1万4893人へ。平均年齢は40歳から44歳に上昇しています。少子高齢化と人口減少が大きな要因と考えられますが、加えて産業構造の変化で、かつては団員の過半を占めていた農林漁業者・自営業者が減少。大分市では全体の80%が会社員となり、勤め先が居住地域から離れて、昼間の火事への出動が困難など新たな事態も生じていると、地元紙、大分合同新聞は指摘しています。
私は消防団員の確保について、2019年3月議会で質問しました。要約して再掲します。

岩崎:消防団の団員確保について質問します。消防団員の確保について、資料をいただきました。それによると、ここ数年、マイナス基調で推移していた新入団員数が、昨年度、わずかながらプラスに転じ、さらに今年度もプラス傾向が続いていることが読み取れました。要因は何でしょう?

消防局長:本市消防団では、消防団員が地域で活発に勧誘活動を行うとともに、 重点的取り組みとして、 消防団員みずからを構成員とする広報企画委員会を設置し、ポスターの作成や著名な漫画家によるイラストの活用、ホームページへの積極的掲載など、消防団員のアイデアを具現化しながら、入団者の確保に努めているところでございます。

消防局といたしましても、 消防団を支援するため、昨年以降、大分市消防団条例の改正を行い、年間報酬の引き上げや入団要件の緩和、定年の延長といった環境面の見直しを行うとともに、 市報掲載やテレビ、ラジオなどのメディア活用、 トリニータのホームゲームにおける大型ビジョンでの広報などを行ったところでございます。
このように、消防団と消防局が一体となって行ったさまざまな施策を積み重ねた結果、今年度当初には、これまで減少傾向だった消防団員数が、昨年度と比較して14名の増加に転じており、一定の効果があらわれてきたものと考えております。

 行政の様々な取り組みが実を結んでいることが分かりましたが、一番の効果は定年延長(60歳から65歳に延長)により、出ていく団員が食い止められている、何とかギリギリで確保できているというのが実態のようです。まだまだ、団員確保の効果が持続的に表れておらず、根本的な解決になっていない、継続的に粘り強く取り組みを進めることが必要と考えます。

私自身消防団に入って思うのは、地域の方々との繋がりが格段に高まったことがメリットと考えています。防災情報の共有はもちろん、子育て情報の共有、地域経済・政治の情報共有などもできます。入団の前と後とでは地域に関する情報量が圧倒的に違います。そういう意味で多くの人にこのメリットを享受していただきたいと思います。意外と自分のペースで参加できる消防団の魅力を、多くの方に知っていただきたい、そんなことを思った出初め式でした。